もったいない

昨日、所用で行った役所の照明は、ちょっとあきれるほどであった。エントランスから奥にかけて天井には間接照明とダウンライトが配置されているのだが間接照明は、間引き点灯され、ダウンライトは2灯のみ点灯し、あとのダウンライトはランプが抜かれていたのである。なぜこういう事が起こるのでだろうか?自分が思うには、根本に「照度至上主義」があるからではないだろうか?ここ数年の照明計画では必ず照度分布図の提出が求められ、さらに高照度で均一な照度を求められる傾向にある。こちらが間接照明だけで明るさ感は十分得られると説明しても床面で照度が出ていないと納得しないのである。そして竣工した後、明るすぎて写真のような事になってしまうのではないだろうか?オフィスの執務室や店舗など高照度が必要なところとそうでないところの区別がつかなくなってきているのではないだろうか?明るさとは周りの環境に左右されやすいものである隣の部屋がものすごく明るいと1000ルクスあっても暗く感じてしまう。今の日本の建物の照度はある意味、高照度化されすぎて十分な照度でも暗く思ってしまっているのではないだろうか?新光源が出て省エネになるはずが前よりも明るくさらに明るくしようとする。このへんで明るさ至上主義を止めないと100年後には机上面照度でも最低1500ルクス必要って言われるかもしれない。