ルーバー

最近の建築のファサードには、ルーバーが使われる事が多々ある。さまざまな形状や素材があるルーバーであるが照明計画する上で意外と難しい。壁面がダブルスキンの場合は、まだ仕込むところがいろいろあったりしていいのだが背面に仕込むところがない場合、素材やルーバーの向きによって光り方がまったく異なってしまうのである。ルーバーが木製や石のたたきなどマットな場合は、まだいいのであるがステンレスやアルミなど光沢のある素材で、ルーバーの向きが水平の時、下からアッパーライトした場合、光源がルーバーに映りこむ現象が発生する。ルーバー壁面には、配光に関係無く細い光のラインが走ったように見えるのである。この現象は、ステンレスのヘアラインでもよく発生するのであるが映りこみによる現象なので見る角度によって、光の走っている方向が違ったりするのでやっかいなのである。反対にこの光が走る現象をわざと見せる方法もないことはないのであるが、その場合でもクライアントにその特性をしっかり説明しておかないとトラブルの元である。このルーバー以外でも最近の建築ではありとあらゆる新素材がそれも光を透過するものがファサードとして使用される。その素材の光の特性を生かすか殺すかは照明デザイナーにかかっているかもしれない?
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  • 左側から見た写真

 左斜めに光が走っている。
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  • 反対側にまわって右側から見た写真

 右斜めに光が走っている。歩きながら見ていると移動する方向に光が動くのがわかる。
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  • 正面からだと光は走っていない。