職業病?

照明の仕事をしているとどうしても天井を見る癖が出てしまいます。町の小さ
な喫茶店でも始めて入った場合、必ず天井をみて照明をチェックしてしまいま
す。これはTVを見てても同じで海外の映画を見ててもちょっと変わった照明や
自分が知ってる照明器具が映ったらそっちに集中してしまって大事な部分を見
逃してしまったりしてしまいます。またTVの場合、どうしても照明を評価して
しまっている自分がいます。特に最近よくTVで見かける日本のセレブのお宅訪
問を見るとそうなってしまいます。何百万円もするイタリアの家具を揃えてい
るのになぜか照明は蛍光灯の器具であったり、クリスタルのシャンデリアの周
りに白色蛍光灯の間接照明が入っていたり、それを見た瞬間、自分の中ではセ
レブではなくただのお金持ちになってしまうのです。なぜ、日本のお金持ちの
方は、高級家具やシャンデリアは好きなのにその空間を引き立たせる照明計画
をしないのでしょうか?そのチェコのクリスタルシャンデリアがもともとどう
いう空間で使われていたのか?なぜシャンデリアなのか?それを知っていれば
そんな計画にはならないはずなんです・・・。物にはお金をかけても光にはお
金をかけないというのは、本当にナンセンスなことです、高級な家具も質の高
い光のなかで始めてその価値が生まれてくるのです。純金めっきされた家具や
装飾、金箔の貼られた椅子など白熱球を使用することで温かみや色の深みが出
てきて、本来持っている美しさが感じることができるのです。高級とは物では
なく空間が創りあげるものなのです。