光ファイバー照明

光ファイバーと言えば一般的には、通信で使われるものと思われていますが、もう20年以上前から照明でも使用しています。光を伝送する光ファイバーは、熱や紫外線が少なく、またメンテナンスが容易でないところに光を伝送できるため高所でのライトアップやエアータイトの美術館の展示ケースなどによく使用されています。私が現在照明計画している美術館では、石英ガラスファイバーとプラスティックファイバーの2種類のファイバーを使い分けて使用しています。石英ガラスファイバーの良い点は透過性が高く、光にガラスの色が着き難い事や劣化しにくい事が利点になります。しかし、切断面の処理やとり回しが難しくまた高価なため、一般的には使用し難いものになってしまいます。今回も美術品の展示照明用のみにガラスを使用しています。反対にプラスティックファイバーは、切断面の処理など、とり回しが容易なうえ、ガラスファイバーでは、できにくい側面発光など多彩な演出が可能になります。しかし、ファイバーの距離が長くなると光源から出ている白い光が薄い緑がかった色になってしまうのでダウンライト的に使用する場合などは色温度変換フィルターを施さないとクレームになることもあります。また屋外で使用する場合、プラスティックファイバーは、紫外線に弱いため、紫外線カットの皮膜付きを使用する必要があります。最近はLEDの価格が安くなりファイバーの変わりに使用される事も多くなってきましたが使い方によってはLEDよりも安く、効果的な場合も多々あります。そう言えば照明デザインの世界に入ったときいつか光ファイバーを使用できる現場をすることが夢だったように思います。だからでしょうか何回してもファイバー照明を計画するときは今でもワクワクするのは・・・?