特注照明

今、計画している美術館では、ほとんど特注、もしくは既製品の改造になっている。特に美術館の場合は意匠的な器具は一切ないのであるが、ほしい光が既製品にはないのである。展示用スポットも既製品を改造しているし、トップライトに仕込むスポットライトやサイドライトに埋め込むウォールウォッシャー照明など既製品では対応できないものばかりである。よく既製品だけでできないですか?といわれるのであるが、既製品でもちょっと手を加えるだけで印象がかわるのである。ダウンライトなどはトリムを天井の色にあわせるだけでも違うし、ペンダントやスポットライトのフランジを天井埋込みにするとボコボコ出ていたフランジが無くなり天井がすっきり見えるのである。建築は基本的に特注なのでそれを既製品だけで合わすのには実は無理があるのである。それは著名な建築ほどその傾向は強くなっている。でもただ単にお金があるというだけではなく、特異な空間に対しては特注器具でしか対応できないというのが本当のところなんである。またこの特注照明がライティングデザイナーの腕の見せ所なんである。