姿図

照明計画の最終段階で設備図書に載せる姿図を作成する事がある。姿図とは個々の照明器具の形や素材、光源を指示した小さな設計図みたいなもので、ほとんどCADを使って作成している。特注器具の場合は、特に細かく指示をしたものをこちらで作成するのであるが、既製品の場合、メーカーからダウンロードしたものを使用する場合がほとんどである。でも、この姿図CAD図面が使いものにならないものが多いのである。なぜかほとんどの図面に寸法も素材も明記されていないのである。これでは、せっかく設備図書に載せても違う器具に変えられてしまう可能性があるのである。私の場合、その姿図に寸法と素材、カットオフアングルを入れる事にしている。一手間かけることでこちらの思っている器具を確実に現場に入れてもらえる可能性が高くなるのである。なぜそこまでして姿図を細かく指定するのか?それはこの姿図が積算図面としてゼネコン、サブコン、メーカーにまわるからである。姿図にはメーカー名が書いているものもあるが官庁物件などは書いていないのである。そうなると簡単な形の姿図で器具を判断されてしまうのである。見た目や光源が同じでも、まったく違う光になる事も照明ではありうる事なのである。だから、メーカーはもっと姿図に器具の詳細を入れてほしいのである。ってこの文章を書いた後、松下のスマートアーキの姿図をダウンロードすると三面図の寸法が入った姿図の横に配光データもCAD化されていた。姿図にCADの配光データも入れるという事は、実は本来当然のことなんである。配光データは照明器具の機能をあらわしているので、車で言ったらスペック、馬力みたいなものなんである。それを設備図書に今まで入れていなかった事に問題があるのかもしれない。もともと松下も簡易姿図を採用していたが最近は光学的にも優れたものが沢山出てきた為、こういう姿図を作るようになったのかもしれない。他の照明メーカーも自分の器具に自信があるなら細かいスペックで配光データもつけた姿図をつくってほしいものである。