まぶしい光と明るい光

日本人はこの違いをわかっている人が少ないように思うのである。よく店舗や事務所ビルで見かけるのが光源をむきだしにしている照明である。特に多いのが白熱電球だった器具に電球形蛍光灯をむりやりつけて光源が飛び出してしまっている場合である。直接、光源が目に入るのですごく明るいと思っているようなのであるが、実は大きな間違いである。壁面や天井面の輝度よりも極端に明るい光源を見せることは、実は反対に空間を暗く見せる事になってしまっているのである。極端に例えるならば、車のライトでハイビームの車が来ると何も見えなくなるのと同じ事なのである。本当は、光源を隠す方が、空間だけが浮かび上がり明るく感じるのである。また、光源のむき出しは、せっかく光学制御された反射鏡を無視したことで反射鏡によって効率良く照射されるはずの光がほとんど前方向に照射されなくなってしまう。ランプメーカーのカタログには白熱電球を電球形蛍光灯に交換することで寿命が長く省エネになると言っているが、器具によっては、同じ明るさのランプであっても反対に暗くなってしまうことを分かってほしいのである。