青色防犯灯

今日の朝日新聞に青色防犯灯を導入している自治体が激増しているとの記事が載っていた。この青色防犯灯とは、既存の街路灯の光源を青色の光に換えるというものである。イギリスのある街で最初に行われ1年間で1万件犯罪が減ったというものである。テレビなどにも多くとり上げられたので知っている人も多いと思う。成果があった要因に良く言われるのが青色が心を落ち着かせる事で冷静になり犯罪が減ったというものである。本当にそうなのだろうか?照明計画では、落ちついたリラックスした空間を演出する場合、白熱の温かみのある柔らかな光で空間を照らすことが多く、反対に青い光を使用するときは非日常性を演出する場合などに用いられる場合が多い。海外の事例では高圧ナトリウムを青色に換えたようであるが、高圧ナトリウムのオレンジの光の地域に一部の地域だけ青色に換えられるとどうだろう?それは、赤と青という補色の関係が成り立ち青色の地域の非日常性が高まるような気がする。その事で犯罪が抑えられたとは考えられないだろうか?罪を犯そ
うとするものは基本的に目立つところではしないものである。すべての街灯が青色になれば多分、犯罪は次第に増えるように思うのである。奈良県などは特に犯罪が多い地域でもない県庁前の街灯を青色に替えてしまったのである。すぐ横には奈良公園があり五重塔も見える地域にである。世界遺産のすぐ横である。ただ単に犯罪がすぐ減ったからといって、すぐ導入していいのだろうか?このまますべての街灯が青色になってしまったら街を歩く人の顔もみんな青白くなってしまう。そんな街って楽しい街だろうか?
ちなみに青色にすることで照度は1/3になるし、交換の手間もランプ代もかかるのである。また、ほとんどの地域が水銀灯の青白い光を青色に替えたようである。だいたいもともとの照明計画が本当に適切だったのか?疑問である。TVでとり上げられていたのですぐ飛びつくよりももっと照明計画について考えてほしいものである。この青色光交換もすべて税金でおこなっているのである。