照明と熱

特注で器具をデザインする時、一番ミニマムになる大きさにデザインしたいと常に思うものである。しかし、これを阻止するのが、光源の発熱である。光源の大きさぎりぎりに器具をつくりたいのであるが、どうしても器具内や表面のカバーの温度が高温になりすぎて器具を大きく変更する事になってしまうである。特に白熱球の場合は、簡単に100度近くに温度が上がるため、建築に仕込む器具をデザインする時は、特に温度を考慮してデザインしないと実現不可能になってしまう。その時、だいたいの目安になるのが照明メーカーのカタログである。白熱球の場合、どこのメーカーもだいたい同じような大きさになっていることがわかる。その大きさを参考にデザインするのである。それと当初、発熱量が少ない事がメリットであったLEDもハイパワーになるにつれて熱の問題がでてきた。確かにLEDからの熱は少ないのであるがそれを点灯させるための基盤の熱が想像以上に熱いのである。この基盤の温度はLEDの寿命にもかかわってくるので各照明メーカーは温度をさげるのに必至である。バイクのエンジンフィンみたいな放熱フィンをつけるところも少なくない、これからもっともっとハイパワーになればCPUファンみたいに強制空冷も出てくるだろう。結局、照明デザインと熱との戦いは終わらないのかもしれない。