TL

私が入ったTLヤマギワ研究所は、当時としては、めずらしい(今でもないかも)組織であった。照明メーカーの子会社でありながら照明計画だけで設計契約していたのである。設計料をいただくということは、基本的にyamagiwaの器具を使用する必要は無く、他社の器具でも機能的に優れていればスペックしていいのである。昨日、日記で書いた新梅田シティは、まさに照明設計契約である。施主に東芝が入っていたこともあり、基本スペックはすべて東芝の製品で計画されているのである。TL研究所のTLは、テクニカルライティングの略で、シャンデリアやペンダントのような意匠器具のデザインをするのではなく、その反対で、極力照明器具の意匠を排除し、空間を光で創り上げていくことであった。また、その設計ポリシーと合致したこともあり著名な建築家とコラボレーションもおおく、媒体にもよく取り上げられていたのである。しかし、その後、バブルがはじけると照明メーカーとしての矛盾が生じLD研究所と共にyamagiwa本体へと吸収されてヤマギワ計画デザインセンターへとなっていくのである。私がTL研究所の所員として活動したのは、5年弱であったがこの時たたき込まれた照明ポリシーが15年たった今でも自分にとっての照明ポリシーなんである。それにその傾向がますます最近、強くなっていくのは、なぜだろうか?