ポール・ヘニングセン

近代照明の父と呼ばれるデンマークを代表するデザイナー、ポール・ヘニングセン。彼の名前を知らなかったとしてもルイスポールセンのPHランプといえば知っている人も多いとおもうのである。そのPHランプの原型のデザインは1925年にパリ工芸博に出展されたものである。当時、ランプといえばシャンデリアみたいな装飾的なものと上に傘がのった単純なものだけであった。しかし彼のデザインはランプを直接見えないように羽で隠しつつ効率よく光を落とす光学制御されたものであった。どこから見てもランプは見えない、でも光は出ているし器具全体も優しく光っている。なぜ彼がこんな器具を80年以上前に考える事ができたのか?はっきり言って不思議なんである。北欧の人は、輝度(グレア)を嫌い優しい光を好む、この風土がPHランプを生んだのだろうか?現在でも色あせることなく世界で売れ続けているPHランプであるが、最近の日本ではPHランプはちょっと不評であったそれは暗いということであった。なぜ日本人だけ暗く感じるのか?日本の住宅は欧米に比べると明るすぎるように思うのとペンダントを高い位置に吊り下げすぎだと思うのである。ペンダントはテーブルから50〜70cmでぐらいの位置で十分だと思うし、PHランプは特に上から見ても光が傘からもれて綺麗なんでそれを見るうえでも絶対低い方がいいと思うのである。しかし、なかなか受け入れてもらえない事から下のカバーをフロストガラスに変えたPH5+(プラス)が日本ように発売されたのである。確かにこのPH5プラスは明るく日本人好みかもしれない、でもPHというポールヘニングセンの名前が付いている以上自分としてはこの器具は出してほしくなかったように思うのである。それよりもなぜこの器具がこの光なのかを知ってもらって買っていただく方が良かったと思うのである。この器具がもってる光の質や良さをもっと照明メーカー及び私も含めて照明デザイナーはアピールしなければいけないと思うのであるそうしなければいつまでたっても日本は照明文化退進国なんである。

Louis Poulsen PH5 洋風ペンダント P3024W

Louis Poulsen PH5 洋風ペンダント P3024W

PH5+(プラス)もPH5も見た目は同じである。