照明関係者の眼と一般人の眼

よく照明関係者と現場やリサーチに行くとよく言われるのが「あの間接照明ランプが見えていますよね!」とか「光源まる見えですね!」とかである、しかし、僕が見た限りでは、まったく問題無いと思うのである。それは、照明デザイナーを擁護するわけではなく、本当にそう感じるからである。なぜか?そのほとんどが、無理やり光源を見ているのである。わざわざ間接ウォールライトの下に行き、頭上を見上げてランプを確認している。多分というかほとんどの人はそこまでして光源を見ようとしないし、照明なんて気にする事もしていないのである。一般の視線に入らないものを過剰に反応していると思うのである。私は、いつも心がけているのは通常視野内で光源を見せないということである。一般的に視野は上下30〜40度以内と言われている。その範囲に光源が入らなければ一般の人は照明を意識する事は少ない。その事をふまえて照明計画しなければ過剰デザインになる。たまに壁面間接などで光源を隠しすぎて光が天井際にしか落ちていないものとかがある、ランプ、ランプと意識しすぎて、本当に必要な光を忘れてしまわないことが大切だと思うのである。

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壁に近づくと照明は丸見えになるが、通常視野では光源は見えない(リビングからの視線を意識した計画)。
・写真は坂本昭さんの羽曳が丘の家