空調と照明

空調と照明は、一見すると関係の無いように思われるが、空調のことを気にせず計画すると思わぬトラブルを生むことがある。ある住宅の照明でダイニングテーブル上にペンダントを2灯つけたのであるが竣工後に行ってみるとペンダントのすぐ横の壁にエアコンがつけられていて、エアコンをつけるとペンダント揺れるのである。ペンダントもガラスやスチールの重いものだったらよかったのかもしれないが、薄くスライスした木でできた木目の美しいヤコブセンランプだったので微風でも揺れるのである、取り合えずおもりを入れたりしていろりろ試したのであるがまったくゆれを止める事ができなかった。しかし取り付ける前にわかっていたらコードを細いスチールパイプに通して、ある程度ゆれを止める事もできたし、器具を変更する対策もとれたはずなのである。住宅以外でもオフィスや店舗によく使用されるカセット型空調などは天井に占める割合が多いので、出来上がってからみると照明とのバランスが取れてなかったりする事もあるのである。反対に空調がある程度決められていてそれに合わせて照明を計画したこともある。壁につく空調と意匠を合わせる事で統一された空間を演出する事ができた。ついつい忘れがちであるが、つねに天井につくのは、照明だけではない事を意識しながら計画しないといけないと思うのである。

空調と照明を統一したデザイン
天井の意匠を損なわないように天井にはDLを設けず壁面だけで照度と明るさ感を創りあげた。
机上面照度で約600ルクスを確保している。