トリム径と器具効率

今月は、照明メーカーの新製品発表会が多い月である。コイズミ、ヤマギワ遠藤照明、松下とある。何社かの新製品を見て思ったことは、ダウンライトのトリム径(下面)が小型化の傾向にあることである。それは今までのようなハロゲン系ではなく、蛍光灯やHIDの器具が超小型化されているのである。メタルハライド70Wでさえφ120以下である。

トリム径の小型化は空間において目立たなくなり、見た目にもすっきりする。だからどうしても同じ光源のダウンライトであれば一番トリム径が小さいメーカーの器具を選んでしまいがちである。

しかし、ここ最近それに拍車がかかったようである。温度検査が通ればでどんな光源でも小さいほうがいいということなのだろうか?

 照明には器具効率というものがある。光源から出る光束をどれだけ効率よく下方に照射しているか表す数値である。ダウンライトの場合、特殊なオーバル反射鏡を除いては、トリム径が大きいほど効率がよくなる傾向にある。だから小径ダウンライトでメタルハライド70Wを使用した場合、ランプ形状が大きすぎる為トリム径φ120以下では反射鏡で制御された光がランプの当たってしまい、うまく下方に照射できず効率が悪くなる。
メーカーの照度データを見るとメタハラ70Wと35Wが同じφ120のダウンライトである場合、本来70Wは倍近く照度が出ているはずなのにメーカーによっては、35Wよりも約1.5倍しか照度がでていないところもあるのである。

何を言いたいのかというとどうも最近は、ランプを高効率に換える事が省エネという風潮になっているということである。いくら省エネだといって高効率の光源を選択しても器具効率の悪い器具を選んでしまうと反対に台数を増やしてしまい本末転倒になりかねないのである。照明メーカーも含め私自身もその辺の事を啓蒙する必要性があるのではないだろうか?と考えさせられる展示会であった。

と、言いながらもやっぱり見た目に小さいものを選んでしまいそうである、、、、。とほほ・・・