建築系か?商業系か?

計画系と呼ばれる照明デザイナーは、大きく2分することができる。一つは、私のように、建築設計事務所やゼネコンから依頼される建築系照明デザイナーインテリアデザイナーや内装施工から依頼される商業系の照明デザイナーである。先日、初めて、商業系の照明デザイナーの方と初めてお話することができた。話してみて、びっくりしたのは建築系の仕事は極力しないようにしていると言われた事であった。それは設計から竣工まで時間がかかるのが要因のようであった。確かに建築は、商業に比べるとはるかに長い、短いものでも1〜2年、長いものだと3〜5年かかるのである。またその間には何回も現場に行って打ち合わせもしないといけない。設計事務所だけでなくゼネコンや電気工事業者とも打ち合わせが必要になってくる。しかし、商業空間だと短いもので1ヶ月、長いものでも半年で完成してしまうのである。どうも勝負が早い商業施設になれてしまうと、もどかしいようである。反対に私はこの建築のサイクルのほうが好きである。設計の方や現場で時間を掛けながら創っていくほうが合っているようなのである。どちらも同じ照明デザイナーであり光に対する思いは同じなのであるが作っていく過程が違うと考え方も変わるのかもしれない。しかし、これからは、お互い刺激を受けながらよいものを作っていくことが必要なのかもしれない。